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2024年度 公開講座

講義 0:導入

アートコミュニケーション人材育成プログラム「あ³」の概要説明会をオンラインで実施しました。入江泰吉記念奈良市写真美術館と連携し、先端技術を用いた写真における芸術表現をまなぶ本プログラムのねらいや、受講生が一年をかけて取り組む講座・ワークショップ・アーティストの滞在制作・出張美術館についての説明、また導入として、美術や写真の歴史についての紹介を行いました。

2023年度 実績報告

2023年度 公開講座

講義①: XR技術と応用例の紹介

VRやARを含めたXR技術の研究を進めるソニーのエンジニアより、各技術の先端研究や今後想定される応用先について、実際のユースケースやビジネス展開についての例を挙げながら、わかりやすく解説していただきました。その後、参加者を含めたディスカッションを行いました。

講師 武田 優生 (ソニー株式会社)

講師プロフィール

2020年に東京大学大学院情報学環学際情報学府を卒業後、ソニー株式会社に入社。技術開発研究所ネットワーク&システム技術研究開発部門XRシステム技術開発部でXR向け三次元画像処理の研究開発を行っている。

日時 6月24日(土)13:30-16:00

会場 奈良女子大学 N棟 101教室

講義②: アーティストとの協働を軸にしたアートマネジメント

2010年頃より全国各地の芸術祭やアートプロジェクトでアートマネジメントの実践を行うかたわら、Nadegata Instant Partyとしてアーティストと共に地域を巻き込んだプロジェクト型の作品を発表してきた野田智子氏に、実例を交えつつ、アーティストとの協働を通じて現代アートの現場で何が行われているのかを紹介していただきました。その後、参加者を含めたディスカッションを行いました。

講師 野田 智子 (アートマネージャー/Nadegata Instant Party/Twelve Inc.取締役)

講師プロフィール

2006年より美術家の中﨑透と山城大督とアーティストコレクティヴ「Nadegata Instant Party」結成しアートプロジェクトや美術館などで作品発表を行う。また一方で、現代美術作品の販売、国際美術展の広報等を経験したのち、2013年-2019年アートマネジメントを専門とした個人事務所「一本木プロダクション」主宰。2020年よりアートマネジメントとメディアプロデュースを軸にしたアーツプロダクション「Twelve Inc.」を設立し、生活と地続きでアートの環境創造とアーティストとの協働を行う。2020年より関西学院大学にて非常勤講師。

日時 7月1日(土)14:00-16:00

会場 オンライン 

講義③:アナログプロセスからプログラミングによる新たな写真術の開発

1990年代以降、現代写真をリードし続けてきたドイツ人アーティスト、トーマス・ルフの作品を紐解き、写真というメディアが、銀のノイズによるアナログプロセスからデジタルプロセスへと急激に変化したこの写真激動の時代の中で、写真がどのように領域を拡張してきたのかを紹介していただきました。さらに、メディアの変化がわたしたちに何をもたらすのか、スマートフォンやSNS、写真を撮る時代、さらには生成AIへと向かう現代において、写真というメディアの変化がわたしたちに何をもたらすのかについて考察いただきました。

講師 北 桂樹 (現代写真研究者/博士(学術)/アーティスト/京都芸術大学大学院非常勤講師)

講師プロフィール

2017年、京都造形芸術大学通信教育学部・写真コースを卒業。2023年、京都芸術大学大学院・芸術研究科芸術専攻修了、博士(学術)。京都造形芸術大学在学時より制作活動を開始。アナログプロセスからプログラミングによる新たな写真術の開発までを射程に、写真というメディアを「エネルギーの可視化」の表現ツールとしてきた。国内外の展覧会にて作品を提示。現在は写真というメディアのコンテンポラリーアート領域における表現可能性に対する関心から京都芸術大学大学院にて「POST/PHOTOGRAPHY」をテーマに研究。写真の拡張をウイルス的なものとして捉え、「写真変異株」という概念にて論じ、制作を並走させる。

日時 10月15日(日)10:00-12:00

会場 奈良女子大学

2023年度 ワークショップ

ワークショップ①:画像・写真編集ソフトを利用した写真修復および作品制作

第1部概要:「世界の見方を変えてみる!スマホで作品制作体験」

スマートフォンを利用した現代写真の作品制作体験のワークショップを行いました。参加者は、自身のスマートフォンを利用して現代写真の作品制作に取り組み、写真表現の可能性を追求しました。

講師 北 桂樹 (現代写真研究者/博士(学術)/アーティスト/京都芸術大学大学院非常勤講師)

第2部概要:「画像・写真編集ソフトを利用した写真フィルムの修復体験」

画像・写真編集ソフトを実際に利用して劣化フィルムデータの修正を行いました。Photoshop上で、フィルムに付着したゴミを除去したり、退色したフィルムの色合いを調整したりしたほか、白黒写真のカラー化やテキストによる画像生成を通して、先端の技術を学びました。

講師 森 裕司 (フリーデザイナー/アドビ公認コミュニティエバンジェリスト)

講師プロフィール

有限会社ザッツ代表。Webサイト『InDesignの勉強部屋』や、名古屋で活動するDTP関連の方を対象にスキルアップや交流を目的とした勉強会・懇親会を行う『DTPの勉強部屋』を主催。また、Adobe公認のエバンジェリスト『Adobe Community Evangelist』にも認定されている。

日時 10月15日(日)13:00-17:00

会場 奈良女子大学

ワークショップ②:言葉を入れて画像生成aiで写真を作ろう。写真家が教えるキーワード。

言葉(AIプロンプト)を入力することで生成される画像生成系AIを使った写真作品を制作する作家アン・ジュンを講師に、実際に作品制作を体験しました。

前半では、AIによって、存在しない人の顔の画像が自動生成されたり、その画像が動画化されたりする体験を通して、AIの発達やその限界について学び、後半では、「Bing Image Creator」を使用して実際に写真作品を制作しました。構成する要素や要素間の関係、雰囲気、質感などについてテキストを入力することで、イメージが視覚化されることを体感し、創造性とは何かについて考えました。

講師 アン・ジュン(アーティスト)

講師プロフィール

2006年 南カリフォルニア大学​(ロサンゼルス)​美術史学科卒業、2012年パーソンズ美術大学​(ニューヨーク)​写真学科修士課程修了後、2017年弘益大学校​(ソウル)​大学院写真学科博士号を習得。

日時 10月28日(土)10:00-17:00

会場 奈良女子大学 工学系H棟 H101

制作作品(一部)